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2015/08/31

Kiss×Kiss- 秘密の放課後 -

現代パロ。転生ネタ。斎千。斎千ですが、総司さん視点。



「あれっ?なー、総司。あそこにいるの…一君と、千鶴じゃね?」
 放課後の掃除当番を終えた僕と平助が、部室へと向かう途中、近道によく使っている中庭。
 小さい植え込みの隣にちょこんと置かれた、二人掛けの木製のベンチに。
 表情が読めないいつもの顔を崩して酷くニヤけた顔をしている一君と、僕達が皆で可愛がっている―――僕の場合、ただ揶揄っているだけだけど―――千鶴ちゃんが、仲良く座っていた。

「今日は、良いお天気ですね。」
「そうだな。」
「こんなに良いお天気だと、眠くなっちゃいそうですね。」
「そうだな。」
 千鶴ちゃんののんびりとした話に、一君は小さく頷いている。
 上手く会話が続いているようにはとても聞こえないけれど、二人は楽しそうな顔でふんわりとした「二人だけの世界」という空気を作っている。
(ああ見えて、二人共楽しそうにしているのがすごいっていうか…不思議だよね)
「本当にあいつらって、仲良いよなー。」
 平助が、「呆れ1/3・羨ましい1/3・妬ましい1/3」混ざった溜息をつきながら、僕に相槌を求めてくる。
(まぁ…あの二人は、似た者同士だからね)
(揶揄い甲斐があるのも、超がつくほど真面目なのも一緒だしね)
(そもそも、「長い付き合い」だし…ね)
「良いよなー、あーいうの。あーあ、俺も彼女欲しいなー。」
「そう?僕は別に、彼女なんていらないけど。」
 平助の愚痴っぽい台詞に、僕が本心のままあっさりそう答えると、平助は大きな瞳でキッと睨みつけてきた。
「総司はさ、モテるから別に良いじゃん!何もしなくても向こうから寄ってくるから、そういう事言えるんだろっ!?オレなんかさ、『可愛い』とか『友達として良い奴だよね』とかしか、言われねーんだからなっ!」
「ちょっと平助…声が大きい。二人が気づいちゃうでしょ。」
 僕の言葉に、平助は「はぁ?」と怪訝そうな顔で返してくる。
 口の端だけでニヤリと笑みを作った僕に、平助は顔を引きつらせながら身体をちょっと後ろに引いた。
(失礼しちゃうなぁ…僕は笑っただけでしょ?)
「あ、そうだ。斎藤先輩。」
 千鶴ちゃんの、弾んだような楽しそうな声が聞こえて。
 僕と平助は、植え込みの陰に隠れるようにサッと座り込むと、のんびりとした空気を楽しんでいる二人を盗み見た。
「何だ。」
「明日のお弁当のおかずです。ハンバーグで、良いですか?」
「ああ。出来れば、豆腐を混ぜてくれると有難い。」
「豆腐ハンバーグ…ヘルシーですね。じゃあ、鶏挽き肉にしましょうか。」
「ああ。それならカロリーもぐっと抑えられるし、何より挽き肉の量が減る。そして…」
 ベンチに座っている二人は、微笑ましい会話…というか単に一君の話す料理の話に、千鶴ちゃんが相打ちをうっているだけだ。
 立て板に水の如し…一君の口からスラスラと出てくる薀蓄を、千鶴ちゃんはにこにこ笑って、時には頷きながら楽しそうに聞いている。
(あれを楽しそうに聞けるっていうあたり…あの子も、相当変わってるよね) 
 僕が半分呆れながら見ていると、平助が眉間に皺を寄せた変な顔をしながらヒソヒソと話しかけてきた。
「なー…あの二人ってさ、あれで楽しいのか?」
「さぁ?時間の楽しみ方なんて、人それぞれだと思うけど。でもあの二人って、奥手そうだよね。セックスはおろか、キスも出来てないんじゃない?」
「セッ…!!」
 僕がサラリと言った単語に、平助は顔を真っ赤にして僕の顔を見たまま絶句している。
(あ…純情少年が、ここにもいた)
 恥ずかしさと照れで大汗をかきながら真っ赤になっている平助が、「お前、いきなり何て事言い出すんだよっ」って、焦った顔でボソボソと文句を言ってきた。
(ふぅん…平助にも、「二人に見つからないようにしよう」って考えはあったんだね)
「別に普通でしょ。僕達の年頃なら、興味ないなんて事、ない筈だし。平助だって、好きでしょ?女の子の身体。」
「ちょっ…!お前なー…何だよ、その言い方!?まるでオレが、女なら誰でも良いみてーじゃん。オレだってさ、一応好きな子と…」
「何言ってるのさ。『前』は、巡察の後によく新八さんや左之さんと一緒に遊んでたじゃない。僕の知っている限りで良いなら、あの時馴染みだった芸妓さんの名前、挙げていってあげようか?」
「だーっ、やめろって!それに…『前』は、『前』だろ。」
(あ、凹んじゃった)
(まぁ…平助だから、いいか)
 『前』と『今』のギャップに落ち込んだみたいで、平助は無言で項垂れている。
 勝手に落ち込んでいる平助を慰める気なんて全くない僕が、ふと植え込みの先に視線を移した時。

「…千鶴。」
 一君が、今までとは違う…少し艶を含んだ甘い声で、千鶴ちゃんを呼びかけた。
(!)
「はい?」
 にこりと可愛く笑う千鶴ちゃんの柔らかそうな頬に、一君の右手が添えられて。
 千鶴ちゃんの琥珀色の大きな瞳が少しだけ見開いて…吸い込まれそうな位の熱っぽい視線で、一君の事をじっと見つめ返している。
(この展開は…)
 予想通り。
 二人の顔は、だんだん…ゆっくりと、近づいていった。
「ちょっ…おいおい……!」
 一人で勝手に所在なさげに慌てている平助を無視して、僕は少し感心しながら二人を眺めていた。
 二人の瞳が閉じられて、ふんわりと唇が重なり合う。
 それはそれは可愛らしい、若い恋人同士らしい、軽めのキス。
(へぇ…あの堅物の一君でも、やる時はやるんだ)
(意外―――)
 そう、思った時だった。
(…ん?)
 二人の唇がそっと離れると、一君はまた別の角度で、千鶴ちゃんの薄い桃色の唇に触れた。
「…っ…」
 目を閉じている千鶴ちゃんのまつ毛が、苦しそうに震えている。
 一君は、漸く唇を離したかと思うと。
 左手を千鶴ちゃんの華奢な右肩に手を乗せて、空いた右手で千鶴ちゃんの手をきゅっと握りしめながら、今度はもっとずっと深く口づけた。
「…へぇ…」
「お、おいおい……。」
 小さな下唇を、優しく噛んで。
 舌先を、少しだけ絡め合って。
 唇が離れても、また短く見つめ合って。
 小さく笑いあってから、すぐにまた深いキスが始まる。
 互いの熱を、柔らかな感触を味わうように。
 気持ちを交歓するみたいな…熱っぽさ。
 見ている僕達に分かる、互いの思いの深さが染み込んでいくような―――。
(…ていうか、さ) 
(ここ、学校なんですけど)
 いくら今が放課後で、大好きな彼女が相手でもさ?
 風紀委員としていつも生徒を取り締まっている君が、学校で唯一の女子とディープキスを長々とやってるのは、さすがにまずいんじゃないの?
「うわー…一君すげーな…って、あれっ?総司、どこ行くんだよ?」
「何馬鹿な事言ってるのさ。部室だよ。決まってるでしょ?部活があるんだし。二人のいちゃつきを終わるまで見てたら、それこそ僕達が物欲しそうにしている奴等みたいじゃない。」
「…た、確かに……。」
 二人に見つからないように、中腰でこそこそとそこから立ち去って。
 物音を立てないように中庭から校舎の中へ歩いていくと、後ろから追いついてきた平助は、複雑そうな顔で「なー…総司」と話しかけてきた。
「何?」
「あれ…オレ達の知ってる一君、かな。」
「さぁね。とりあえず、『ケダモノ』になってたのは、間違いないみたいだけど?」
「それ…お前には言われたくないんじゃねーの。」
「失礼だなぁ。何、平助。斬られたいの?」
 僕の『前』の口癖に、「冗談に聞こえねぇよ!」と叫ぶ平助を笑っていると、中庭にいた例の二人が校舎へ戻ってくるのが見えた。
「総司、平助。」
「あ、先輩。今から部室へ行かれるんですか?」
 二人は、しれっとした顔で僕達に話しかけてくる。
(あんなシーンをさんざん僕達に見せつけておいて、平気そうな顔をするんだ)
(…何か腹立つなぁ)
「うん。さっき平助と、ちょっと良いものを見てたからさ。遅くなっちゃった。」
「ちょっ…総司っ!!」
「良いもの…だと?」
「どんなものですか、沖田先輩?」
 怪訝な表情で僕の顔を見返してくる一君と、きょとんとした顔で小首を傾げている千鶴ちゃん。
 二人は、僕達が見ていた事にはまるで気付いていなかったみたいだ。
(まぁ…あれだけ情熱的にキスなんかしてたら、気付く訳ないか)
(「もうお互いしか見えない」って、完全に二人の世界だったしね)
 さぁて…二人は、どんな顔をするかな?
 すんごく楽しみ。
「実は、さっきね―――」
 僕の隣で、青い顔をしながら必死で止めてくる平助を完全に無視して。
 目の前で不思議そうな顔をしている二人に向かって、僕はいつもの笑顔を浮かべながらゆっくりと口を開いた。



 ―――暫くして。
 僕が、さんざん二人の事を揶揄った後。

「……一つ聞くが。ああいう方法以外にする、口づけのやり方など……他にあるのか?」

という一君の言葉に、その場にいた一君以外の全員が石みたいに固まったのは、また別の話。



-了-

――― あとがき ―――
今回のお話は、「べろちゅーをする斎千」というテーマで書いたお話です。
当初は、もっともっと「うわーーーー;」っていうキスをするはずだったのですが…ちょっと抑えました;;;
沖田さんと平ちゃんに見られている。。。という事を考えると、千鶴ちゃんがあまりにも気の毒だったので;;;
転生している沖田さんなら、えっちな言葉もサラッと口走りそうだったので、さっくりダイレクトな単語を言わせてみましたw平助君は通常運転ですw

最後の最後で、素敵な天然ぶりを発揮した一さんが全てを持って行ってしまった…というオチですが。
転生しているし、相手も「前」と同じ千鶴ちゃんなら、一さんがあえてまた現代の性教育の勉強をするとはちょっと考えつかなったので、「彼の考える普通のキスは昔と同じディープキスでした」というとんでもない展開にさせて頂きましたwww
一さんファンの方、ごめんなさいwww

タイトルの「KISS×KISS」ですが、そのまんまですねー。このタイトルしか思いつきませんでしたwww
サブタイトルの「秘密の放課後」は、こっそり恋人同士の時間を楽しむ一さんと千鶴ちゃん、その二人のやりとりを植え込みの陰でこっそりとのぞく沖田さんと平助君、の二つのグループの意味をとっていますw

テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

となみかや

となみかや/1073kaya Admin
薄桜鬼・うたプリ・刀剣乱舞に、
重篤レベルで嵌り中。
千鶴受/春歌受/女審神者受

Twitter: @to7mikaya_3na10
Pixiv: 4211441


※現在、WEB拍手は3作品です。
龍鈴(薄桜鬼)/原千(薄桜鬼)/
薬研&光忠(刀剣乱舞)

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薄桜鬼。2話~の作品。完結済。
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沖田VS平助 沖田編平助編
原田VS土方 原田編土方編

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